気まぐれ心が 頭をもたげ
たまにはどうだと 誘い出す
旅立つ理由は 何もないから
これがほんとの 旅なのさ
汽車の切符、 二枚あるんだ。
行き先はとりあえず、
ずっと北の小さな駅。
気の向いたところで、
途中下車ってのもいいな。
行くかい? 一緒に。
まるで恋の逃避行って感じの旅もいいな。
それとも どう?
偶然、 隣合わせたみたいな
二人ってのは・・・。
行くかい? 一緒に。
あしたの朝、 一番の汽車だよ。」
気まぐれ一つと 気がかり一つ
背負った背中に ベルが鳴る
空いてる隣が あいつの答え
朝もや揺らして 汽車が出る
「長い旅になりそうな予感がするよ。
あいつの分の切符が
隣のシートの上で揺れてる。
たぶんあいつ
駅まで来てたはずさ。
一緒に汽車に乗るより とどまる方が
俺のためなんだなんて思ってるんだ。
大人ぶりやがってさ。 そうなんだろ?
そんなやつさ、あいつは・・・。」
あいつの切符を 道づれにして
いとしさ あたため直す頃
隣の駅から 乗り込んできた
まぶしい笑顔は あいつだよ
そうだよあいつは そういうやつさ
えへへと笑って あっけらかん